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「背中を見せられる父親になりたい」と言う今野貴文さん。左が長男太耀くん、右が次男開晴くん=2025年1月29日午前10時41分、秋田県大仙市、室矢英樹撮影
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連載「HANABI」第8部 未来へ紡いでいく(完)

 「一発の重みを知った」。秋田県大仙市の「北日本花火興業」5代目の今野貴文(33)は修業時代をそう振り返る。

 大学を卒業した2012年、新潟県小千谷市片貝町に向かう。世界最大級の4尺玉をつくる「片貝煙火工業」で学んだ。

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 花火大会の現場に少し年上の先輩がいた。

 「煙火打揚従事者」という打ち上げに携わるスタッフだった。猛暑の中でも、周りを明るくするムードメーカー。それが、打ち上げ本番になると表情が一変した。

 「妹さんに花火を届けようとしているんだよ」。同僚はそう言った。

観客の思いを背負う怖さ

 映画「おにいちゃんのハナビ…

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